金利と株価の関係 ~20年間のダウと米国金利の推移から見えるもの~

昨年末からアメリカの長期金利が上昇してきています。

債券が売られるということは、株は買われるというのが一般論なのですが、その分金利上昇に伴い資本コストは上昇するので、企業価値を下げるファクターとなります。債務過大企業など典型ですね。

実際のところマーケットはどう動いていたんだろうと疑問に思い、ITバブル期の株価と金利について調べ始めてみました。調べていると夢中になってしまい、1996年~2018年頭までの長いチャートを作れちゃったので、ITバブルに限らず全体的に俯瞰する形になりました。

まあ、名もなきいち個人投資家のつぶやきですので適当に読み流してくださいませm(_ _)m
(※BloombergやReutersなどプロ向け端末使ってないので、この超長期のデータ集計死ねました(゚∀゚)ヨクヤッタゼ!!)

※編集後記:最終チャプター更新しまして、2018/7/31までグラフ更新しました。

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ダウと長期金利・政策金利の推移を見てみよう

さっそくですが、超長期チャートを見てみましょう。
こちらが1996年1月4日から2018年1月19日までのダウ(左軸)と米国10年債(右軸)と米国政策金利(右軸)のグラフとなります。

こうやって超長期で見ると10年債と株価の関係より、政策金利と株価を比較した方が見やすいな~と思いました。

概ね、【金利上昇→株価下落】と【金利下落→株価上昇】になっているように見えますので、そのポイントを黄色の楕円で囲ってみました。

どうでしょう、金利が低く抑えられた後は株価が上昇していることが分かります。
逆に金利が上昇していけば、その後株価が下落傾向になるということも分かりますが、その間に同時多発テロやリーマンショックという外的要因があったのも考慮する必要があります。

ただし、リーマンショックの原因はサブプライム証券化商品であり、それはすなわち、金利上昇に伴い返済が困難になった低所得層のローンのデフォルトが原因なので、金利上昇が株価下落につながったと言ってもよいかと思います。

昨今の株価上昇なんて金利と比較するといい例ですね。
グラフ内の【D】で分類しましたが、低金利の期間が半端ないのと、同様にその後の株価の伸びも半端ないです。

消費者物価指数をグラフに入れてみた

上ではダウ、米国10年債利回り、政策金利を見てきましたが、金利を動かす1つのファクターとして消費者物価指数(生鮮食品及びエネルギーを除く。以下コアCPIという)をグラフに入れてみました。

それがこちら。
コアCPIは前年比の伸び率としています。

物価指数の金利に対する影響力は見てのとおり!物価の変動とともに政策金利も変動していることがよく分かります。CPIの推移は見逃せませんね。

ちなみに直近2017年12月のコアCPIは1.77%であり、また、直近12か月平均は1.84%となっています。

これは過去を見ても高くない水準と判断できますが、このまま伸びてくれば金利とコアCPIは楕円のBエリアみたいな動きになりそうです。現状の株価はBのときと比べものにならないくらい爆騰していますけれども・・・。

改めて株式投資の基本ですが、物価上昇→金利上昇→株価下落、のパターンも踏まえながら投資検討せねばと思いました。物価がなかなか上がらないことにFRBも頭を抱えているようですけどね。

現状の水準をテクニカルに見てみる

こうやって見てみると、リーマンショック後2009年からの政策金利が低すぎて、株価がオーバーシュートしている可能性があることに注意が必要です。

また、チャートを見ていてふと「リーマンショックが起きず、安定的な上昇相場となっていたらどうなっていたのだろう」と思いました。そこで、簡単にトレンドラインを引いて、テクニカル分析チックに考えてみました(テクニカルは得意ではないので悪しからず・・・。)

今回引いてみたトレンドラインは以下3パターン。1996年1月を起点に、

①ITバブル期のダウのピーク(2000年1月)
②リーマンショック前のダウのピーク(2007年10月)
③ITバブル後のボトム(2002年10月)

でラインを引いてみました。

それがこちら(拡大して見てください)。

①のITバブル期のラインは、過熱相場が続いた場合どうなるかをイメージしたものですが、さすがに論外ですね。
③のラインは下値のサポートラインがどの程度なのかイメージしたものですが、わりと支持線として機能しているように見えます。

最後に②のラインは、リーマンショックが起きず、安定的な上昇相場となっていたらどうなったのか、をイメージしたものですが、このラインは大変面白く感じました。
1996年から2007年、2007年から2017年とほぼ10年タームできれいな点が取れています。
2017年の接点はだいたい7月~8月で、ダウ2万1,800ドル程度なのですが、そこそこ妥当なラインな気がします。

ちなみに、現状の株価2万6,616ドル(2018/1/26)は、このチャート上の標準偏差で言うと+1.17σくらいです。まあ+2σくらいまでは許容可能と考えると、+2σで2万9,870ドルになります。政策金利が上昇せず、バブルが形成されていけばそれくらいの値、つまり、分かりやすく3万ドルを目指すかもしれません。ちなみに上述の①のITバブル期のピークは+2.3σ、③のITバブル後のボトムは-1.6σ程度となっています。

こうやって見てくると、保守的な私からすると現水準は高く感じてしまいます。
ITバブルが崩れてきたのが2000年の1月~4月くらい、そしてsell in mayが5月から始まりますし、昨年は政治や地政学リスクにより春先の株式市場はかなり弱含み、アノマリー的に不安に感じてしまうのですよね・・・。まあ、これらは迷信に過ぎませんけれども。

最後に、過熱感を表す記事をいくつかシェアしておきます。

「中央銀行の利上げにより、投資家が不意打ちを食らう恐れがある」今回のブログ記事と共通する点がありますね。

これもアノマリー的な。。。

“super-frothy” 「極めて泡立っている」と表現されています。

と、、、金利と株価の話からだいぶ逸れてきてしまいましたが、政策金利次第で株価も調整する可能性があるということを改めて認識しておきたいなと思いました。その政策金利も消費者物価指数の変動に影響を受けるわけですので、ロング投資家としては物価指数と政策金利のシャープな上昇には十二分に注意しておきましょう。

なお、本ブログでは毎月の消費者物価指数を「経済統計」の項目で書き残していますので、よかったら見ていってくださいね(リンクはこちら)。

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直近までのグラフ更新(~2018年7月31日)

グラフを2018年7月31日まで更新してみました。7月のCPIも反映しております。

上の記事を投稿したのが2018年1月30日だったのですが、その後2月2日(金)に1月米国雇用統計が発表され、平均時給速報値が前年比+2.9%(予想+2.6%)と2009年5月以来の水準となり金利が前日の2.78%から2.84%に急上昇。これに関連してVIX指数も急上昇し、VIXショートETFがぶっ壊れロスカットの嵐で株価は大暴落!

雇用統計発表日のダウは665ドル安、翌2/5(月)は1,175ドル安(一時最大1,597ドル安)と過去最大の下げ幅となり、1/26(金)の最高値26,616ドルから3/23(金)の最安値23,533ドル(ともに終値ベース)まで11.6%の下落となりました。ちなみに日経平均株価は、2/6(火)は最大1,604円安、終値1,072円安となり、アッーーーー!となりました。

その後落ち着きを取り戻したわけですが、好調な経済環境をもとにFRBは利上げ路線継続で政策金利はグラフのとおり上昇しています。

過去2004年くらいから政策金利が急上昇していますが、今回はそれに比べるとジリジリな感じ。安定的に経済が成長するようゆっくりと上昇させている感があります。永続的かつ安定的な株価上昇になるのがいいのですけど、リーマンの時のように政策金利が5%を超えると企業成長難しいわな。目下2%台ならまだ大丈夫でしょうけど、はてはて、どうなることやら。

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