FFRI(3692)の銘柄分析 ~IoTセキュリティまで拡大するか~ 

2017年ももう終わり。

2018年に向けて最適なポートフォリオはどうかなぁ、と日々考えております。
中長期的にAI、IoT、自動運転といったイノベーティブなセクターの業績拡大は予想されますので、何かしら有望銘柄を持っておきたいな~と考えております。

そんな中、先日自動運転について調べていたら、DENSOが高い技術を持っているようだったので買おうかなと思って株価を見てみると堅調そのもの。今から入るのもなー、、、と思いながら同社の決算説明資料を読んでいたら、「車載セキュリティー」について記載がありました。

IoTで自動車もインターネットにつながると、もちろんウィルスの標的になります。
人命に関わることですから、この車載セキュリティー市場の拡大はハンパないだろうなと更に調べていたら、今回の取り上げるFFRI(3692)に出くわしました。なんだか魅力を感じさせる銘柄で、思わず飛びついて買ってしまい、分析は事後に・・・。PERは超高水準で冷や冷やなので、ちゃんと銘柄を調べた上でHold/Sellのタイミングを計っておきたいと思います。

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FFRIと類似企業を見てみよう

さて、FFRIと類似する企業について見てみようと思います。
セキュリティー銘柄は複数ありますが、今回は時間の都合上、ソリトンシステムズ(3040)、デジタル・インフォメーション・テクノロジー(DIT)(3916)、アズジェント(4288)の3銘柄をピックアップしました。

財務データは直近会計年度分、時価総額・PERは2017年11月30日時点のものです。

FFRI(3692)
特定の組織を狙った標的型攻撃などで使用される未知のウィルスを防御することに強みを持つ。法人向けのFFRI yarai、個人・小規模事業者向けのFFRI yarai Home and Business Edition、Android向けのFFRI 安心アプリチェッカーなどのソフトを展開。セキュリティソフトは海外製が多い中、FFRIは純日本製。自動運転のセキュリティ研究も開始。

設立:2007年7月
売上高:1,471百万円
営業利益:257百万円
当期純利益:271百万円
時価総額:332億円
PER:116.9倍
総資産:2,055百万円
株主資本比率:46%
URL:http://www.ffri.jp/

ソリトンシステムズ(3040)
顔認証などのPCログイン認証製品や、大容量ファイルなどの安全な受け渡しを実現するサービス、在宅勤務などのリモートワークセキュリティ、標的型攻撃をブロックするサイバーセキュリティソフトZerona(FFRI特許技術使用)などを展開。働き方改革をシステム面でサポート。

設立:1979年3月1日
売上高:15,998百万円
営業利益:1,259百万円
当期純利益:664百万円
時価総額:370億円
PER:51.4倍
総資産:12,825百万円
株主資本比率:44%
URL:http://www.soliton.co.jp/

デジタル・インフォメーション・テクノロジー(DIT)(3916)
ウェブサイトの改ざんを瞬間検知し瞬間復旧するWebARGUSや、エクセル業務改善システムのxoBlosなどのソフトウェアの開発及びソリューションの提供を行う。車載機器の開発事業にも注力。

設立:1985年12月9日
売上高:10,273百万円
営業利益:653百万円
当期純利益:466百万円
時価総額:158億円
PER:32.2倍
総資産:3,713百万円
株主資本比率:65%
URL:https://www.ditgroup.jp/

アズジェント(4288)
自治体で導入の多いマルウェアを無害化するVOTIROやファイアウォールのCheck Point(それぞれ海外製)などのソフトを展開。人手不足や専門知識不足などにより自社内で統合的なセキュリティ管理ができない企業向けに、セキュリティー運用監視サービスも提供。

設立:1997年11月10日
売上高:4,841百万円
営業利益:337百万円
当期純利益:312百万円
時価総額:113億円
PER:36.5倍
総資産:2,842百万円
株主資本比率:65%
URL:https://www.asgent.co.jp/

うーん、それぞれの企業の事業・製品内容を簡単に記載しましたが、専門的すぎて理解を深めるのがとても難しかったです。すこ~しずつ、なんとな~く、分かり始めた気がしますが・・・。

さて、次項で財務データの比較をしておきます。

財務データの比較

上述の4社の主な財務データについて、前期、直近期、来期会社予想を視覚化しました。
アズジェントは会社予想を出していないので、直近期、前期、前々期の数値となっています。

まず売上高。
わお、FFRIてこんなに小さいのね。企業の設立年数に比している感はあります。
ちなみに、セキュリティー最大手のトレンドマイクロの売上高は1,319億円です。

なお、FFRIのクライアントは官公庁が多いため、売上は期末に偏重するようです。
以下が四半期ごとの売上と利益となりますのでご参考まで。
余談ですが、2017年9月の2Q決算は良く見えたのですが、株価は発表後軟調でした。こうやって見ると6~9月の売上の伸び幅がこれまでの1Q対比小さくなっており、それが影響したかもですね。

つづいて営業利益。
営業利益になるとFFRIが頑張り始めます。後述の利益率のグラフも参照ください。
なお、トレンドマイクロの営業利益は343億円です。

純利益も同様の傾向。
ソリトンは前期純利がマイナスとなっていますが、海外子会社ののれんを減損処理し543百万円の減損損失を計上したことによります。こちらも、トレンドマイクロの数値は246億円とケタ違いです。

営業利益率はFFRIが直近値で17.5%とダントツ。トレンドマイクロは26.0%と更に上です。すげーな・・・。

純利益率も同様です。FFRIは18.4%、トレンドマイクロは18.7%と似た感じ。FFRIの直近値では法人税等調整額がマイナスとなっており、純利益が営業利益より高くなっています。

財務安全性はほとんどの会社が無借金経営。借入があってもNet Cashは大幅プラスなので銀行とのお付き合い上の借入のように思います。
その他、FFRIとソリトンの株主資本比率が他社比低めなのは前受収益が負債に計上されているためです。複数年契約のソフトなどの利用料を先払いでもらっている感じでしょうかね。

最後に時価総額とPER。FFRIの期待の高さが見て取れます。

FFRIを見ると売上高はまだ小さいのですが、高利益率を保っており、サービスや商品の拡大に伴い利益が一気に伸びることが想定されます。それも高PERとなっている理由の1つかと思います。

FFRIの定性データを見てみますね

そもそもFFRIはどんな商売をしているかというと、通常のセキュリティソフトでは対応のできない、未知のウイルスの防御を行うことが可能なセキュリティソフトを展開しています。ウイルスによる攻撃も最近は特定の組織を計画的に狙った「標的型攻撃」が増えてきており、それらは一般的なソフトではウイルスの挙動を発見できないようですが、FFRI製品はそういった攻撃もプロテクトできるようです。

この銘柄を調べるまで知らなかったのですが、通常のウイルスであればWindows DefenderというWindows8以降で標準搭載されているソフトで防御できるそうで、市販のアンチウィルスソフトの防御範囲はWindows Defenderの防御範囲と同じようです。Windows Defenderが更に普及していくとFFRIの個人向け製品も売上が増えていくかもしれませんね。


(FFRI 平成30年3月期第2四半期決算説明会資料より)

同社は法人向けの”yarai”や個人・小規模事業者向けの”FFRI yarai Home and Business Edition”といった商品、Android向けに”安心アプリチェッカー”といった商品などを展開しています。口コミサイトでも比較的評価は高いのですが、Android向けの安心アプリチェッカーでは退会方法が分からないといったコメントがしばしば見受けられました。

その他、2017年4月にはアメリカに現地法人を設立し、yaraiの販売を展開し始めています。

さて、主な製品について知った次にヒストリカル株価を見ておきましょう。

終値ベースで、上場時は1,178円(分割後)でしたが高値は2015年7月23日の18,490円まで上昇し、現在は4,100円前後で推移しています。人気化する新興銘柄によくある高値掴みあぼーんチャートとなっています。
また、2016年1月に貸借銘柄に採用されてからは長期停滞。今でさえ実績ベースではPER120倍程度、貸借銘柄採用時は270倍(当時は赤字なので2017年3月EPSベースで)。そりゃ売られるわな。現状の貸借倍率も空売り超過ですが、よくもまあ返済に伴う反転もなくダラダラと推移するものです。逆に考えると、誰か粛々と買ってるのかなぁと思ったり。

つぎにFFRIのホームページからPR情報を引っ張ってきました。
詳細は同社HP(こちら)で確認できますが、上場後の大きめの取り組みはこんな感じです。

2014年12月 NTTコミュニケーションズ、日本マイクロソフトとセキュリティーサービス開発・提供のリリース(※その後動きはなし)
2015年9月  ジグソーとセキュリティ分野や販売分野で提携
2016年6月 パナソニックとIoT機器のセキュリティ共同研究開始
2017年5月 JASPAR(自動車ソフトウェア標準化団体)加入

家電商品取り扱い多数のパナソニックとのIoTセキュリティ共同研究やJASPAR関連の取り組みは市場規模がとんでもないだけに期待せずにはいられません。次に自動車メーカーとの共同研究とかリリースされた日にはぶっ飛ぶなぁと過大妄想が膨らみますw
なお、車載セキュリティー分野では同社のPR情報にも研究情報がちょいちょい出ているので参照してみてください。

次にFFRIのソフト導入先ですが、クライアント事例がホームページに記載されています(同社HPリンクはこちら)。

直近では、伊勢原市(OEM商品)、阪神高速道路、DENSO、神奈川中央交通、ソニー銀行といった規模の大きいクライアントを獲得しています。行政関連のクライアントが多いようですが、信頼の置ける国内ベンダーであるからこその引き合いによるものでしょうか。昨今重要度を増す、国防などの国家機密関係に海外製品を使うのはちょっと怖いですよね。カスペルスキー製品とロシア政府の関与なども報道されてましたし。
また、FFRIはインターポール(国際刑事警察機構)という国際犯罪を防止する目的で各国の警察機関で組織された組織とも緊密に連携をとっているようで、そういったことも企業ブランドを高めているのでしょう。
(全くの余談ですが、ルパンの銭形のとっつぁんはインターポールに属しているそうです。)

こんな感じで設立10年程度の会社ですが、FFRIを率いる鵜飼社長がどうやら超優秀なエンジニアのようです。国としてのセキュリティ問題点を論じていることも多いので、行政関連の仕事が増えるのも納得です。東証の社長インタビューがよくまとまっており、参考になりましたので紹介します(インタビュー記事はこちらご参照)。

また、2000年初頭にファイル共有ソフトWinnyが社会問題になりましたが、このソフトの脆弱性を発見したのがFFRI設立前の鵜飼社長と最高技術責任者の金居さんだったようです。有名になるわけですな。

最後に株主構成を見ておきましょう。
経営陣筆頭にNRIといったシステム大手も大株主に名を連ねており、会社としての安心感があります。

株価を考える

高いPERが表すように株価は将来の期待・成長が見込まれた水準になっています。
ここ最近は軟調でモタモタしており、目に見えた業績向上がないと、ちょっとしたPR情報では反発・安定推移は難しそうな需給に見えます。当たり前ですが地道に3Q、4Qで実績をつくってもらうのが賢明です。

ちなみにエース証券がカバレッジしており、アナリストレポートでの目標株価は6,200円。ホールド銘柄が評価されるのは嬉しいものです。
(レポートはこちらから。2017/11/22付です)。

とは言え上で類似銘柄をピックアップしましたが、それらのPER平均は59なので、これにあてはめると株価は2,063円となり、ちょwwwと言わざるを得ない値。無理して買い向かう銘柄ではなく、下で指しとけばいつかはささるかもです。

ただ、ここは株らしい夢を見る銘柄として考えたい!!
冒頭にIoTや自動運転のことを述べましたが、自動運転の市場成長と車載セキュリティソフトの拡大について簡単にシミュレーションしてみました。

今回は矢野経済研究所が自動運転についてレポートを発表していましたので参考にさせていただきました。その調査によると2030年までの自動運転レベル3,4の世界市場規模予測は以下のとおりとなっています。
(矢野経済研究所の調査ページはこちら)

2020年予想 14.8万台
2025年予想 636万台
2030年予想 2,011万台

レベル1
加速・操舵・制動のいずれか単一をシステムが支援的に行う状態。

レベル2
システムがドライビング環境を観測しながら、加速・操舵・制動のうち同時に複数の操作をシステムが行う状態。

レベル3
限定的な環境下若しくは交通状況のみ、システムが加速・操舵・制動を行い、システムが要請したときはドライバーが対応しなければならない状態。

レベル4
特定の状況下のみ(例えば高速道路上のみなど、極限環境を除く天候などの条件)、加速・操舵・制動といった操作を全てシステムが行い、その条件が続く限りドライバーが全く関与しない状態。

レベル5
無人運転。考え得る全ての状況下及び、極限環境での運転をシステムに任せる状態。

それを前提に、自動運転向けのセキュリティソフトの販売単価(縦)とシェア(横)を変数として、ソフトの売上高をシミュレーションすると以下に・・・。

おおっ!なんだかハンパないことになりそうだぞ!!!

とは言え、、、世界の強豪企業が多い中、シェアを拡大するのは並大抵のことではなく、淡い期待を持ちすぎです。そもそもレベル3でIoTになるかどうかも分からないし。

・・・が、トヨタ、ホンダなど国産メーカーと国産セキュリティ企業のコラボレーションには期待してしまいます。市場規模が市場規模なので化ける可能性は秘めているということは言えそうです。だからこそPER100倍超ってのもごもっともなこと。

株価は割高ですが、将来的なグロース銘柄として持っておこうと思います。
ただ、業績と研究開発の進捗や、競合他社の開発の様子を見ながら慎重に・・・。

本来、まずは既存ソフトのシェア拡大や北米など海外シェアの拡大をシミュレーションして株価予想していくのが定石なので、こちらはご参考まで。投資は自己責任でね!!!

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