異次元緩和について考える ~マネタリーベース、金利、株価、物価指数について~

米欧で秋口以降の量的緩和(QE)の縮小などリフレ政策への転換が囁かれてきました。

さぁ~て日本はどうなんだ、といったところですが、インフレ率は日銀が目指すところまでなかなか届きません。じゃぶじゃぶに資金供給されているということは分かっていますが、実際に今の金融緩和がどのような状況なのか、また、今後どうなるのかを理解しようと思いまして、マネタリーベースと株価などマーケット数値を視覚化してみましたのでUPします。

なにぶん私はエコノミストでもアナリストでもなくしがない個人投資家なので、経済学的でロジカルな見通しをするものではありません。現状把握するための一般庶民のメモにすぎませんので、何卒その点ご容赦・ご理解をm(_ _)m

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マネタリーベースとは

まず「マネタリーベース」の定義を理解しておきましょう。日銀HPに書かれていることをそのまま転載するとこうです。

マネタリーベースとは、「日本銀行が供給する通貨」のことです。具体的には、市中に出回っているお金である流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)と「日銀当座預金」の合計値です。
マネタリーベース=「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」

「日本銀行券発行高」、「貨幣流通高」については実際の紙幣貨幣なので具体的にイメージできると思いますが、「日銀当座預金」についての定義も確認しておきましょう(以下、日銀HPから転載)。

日本銀行当座預金とは、日本銀行が取引先の金融機関等から受け入れている当座預金のことです。「日銀当座預金」、「日銀当預」などと呼ばれることもあります。

民間銀行はこの日銀当座預金を介して、それぞれの銀行間の資金決済を行っているわけです。

さて、以下は日銀当座預金の推移。
ブルーの部分が日銀が民間銀行に対し「これだけは預金せよ!」と決めている「所要準備額」で、ピンクの部分がそれを超過した「超過準備額」となります。ものすご~い量で超過準備が増えてますね。

ここで、マイナス金利政策にからめてですが、日銀はこの当座預金残高を3段階に分けて、その段階ごとにプラス金利、ゼロ金利、マイナス金利を適用しています。全部が全部マイナス金利じゃないのね。勉強になりました。

3段階の階層構造。日銀資料(2016年1月29日 「本日の決定のポイント」)より抜粋

マネタリーベースの増加と指標の推移を見てみよう

さて、実際にマーケットにどのような影響を与えているのだろうかと、日経平均、国債利回り、消費者物価指数の3つの指標をマネタリーベースの推移に合わせてグラフを作ってみました。日銀の都度都度の主要な施策もグラフ内に示しているのでご参考まで。

まずエクセルでポチッとグラフ作成ボタンを押して、最初にこの表を見たときにはコーヒー噴きましたw なんじゃいこの拡大度!まさに「異次元」緩和というのが適切な表現!

まず金利の推移を見てみましょう。効果てきめん!

フローとしては、日銀が民間銀行等から国債を買い取っていますので、債券価格は上昇、利回りは縮小し、その名の通りマイナス利回りになっています。低金利でセカンダリーの債券部門も商売あがったりかと思っていたのですが、日銀が買い取るから買う、と言う理由でそこそこ忙しかったそうです。また、マーケットにはもはや買う玉が不足しているという問題や、超長期債もマイナスになると生保など長期投資家がガチ運用難になることから相応の批判も出ているようで、日銀も超長期ゾーンはプラスになるように配慮しているような報道も見ることがあります。

つづいて株価。

うーん、株価は2000年のITバブルや2006年の小泉政権時代の高値があるので、過去と比較はしにくいのですが、2013年の日銀バズーカから大きく急騰しています。
(ちなみに黒田東彦氏の日銀総裁就任の時期は2013年3月20日です。)

2013年~2015年あたりを除き、金利のようにマネタリーベースが増えれば増えるほど、金利が下がるといったような超あからさまな相関はグラフだけでは感じられないけど、マネタリーベースの2001年あたりからの増加や、2006年あたりからの減少を見ると、やや時間差を置いて株価に影響しているような気も。なにぶん、ここ数年の緩和の規模が壮絶すぎて過去の数十兆円単位の増減など微塵のようですw

あと、これに関連して日銀のETF買入の記事も書きましたのでご案内しますね。

最後に消費者物価指数。生鮮品を除くコアCPIとしています。

物価に対してはここ最近になってようやく波及してきたような感じですかね。まあ、エネルギー価格の上昇の寄与度が高いので、実際に物価上昇している感じは他の一般商品には無いような・・・。最近は酒類の価格が上昇していますが、官製値上みたいなもんですし。

ちなみに、黒田総裁は2017年8月25日で行われたジャクソンホールでのインタビューでは「現在の非常に緩和的な金融政策を続けていって、目標を達成する」と述べたようです。また、2017年7月の金融政策決定会合で物価上昇2%達成時期を従来の2018年度頃から2019年度頃に先送りし、緩和を継続することにしています。

この先送りは6回目であり、まだ緩和は続くでしょうが、そもそも少子高齢化で消費を行いにくい構造となっている我が国で2%の物価上昇を達成できるのかはかなり疑問。オリンピックの時には良くなっているかもしれませんが、その後のことや、いずれ行わざるを得ない消費増税があった際には消費マインドも低下するでしょうねぇ。
民間企業もキャッシュリッチと言われており利払い余力もあるはずですので、金利が正常化して、受け取る側からすると配当・利子を享受した方が消費が促される気もしないでもない。特に日本の個人金融資産1,800兆円(2016年末)の大半を持っている高齢者のじーちゃんばーちゃん、元本取り崩しは嫌だけど、配当利子収入部分では孫に色々買い与えるような。

いずれにせよ、アメリカやヨーロッパは量的緩和の縮小を開始しようとしているところ。欧米が緩和縮小して、物価や金利、株価指数がどうなるか日本の出口の大きな参考になるでしょうね。

グラフを見る限り、このじゃぶじゃぶマネーが縮小していくとどうなるのか考えただけで恐ろしい、というか想像がつかないのですが(そもそもできるのか、何年かかるのかw)、日本国民としては目をそむけず現状は知っておかなきゃなあと思います。

本記事、まだまだ不勉強なことが多々ありますので、適宜リライトしていきます~。

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